棺の中の楽園 [日記、あるいは日々の考え事]
−日記・過去ログ−
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2002/4/22 (月)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#22
◆
旅行の準備でばたばた。
大雑把に計画を立てるのは楽しいけど、バスやら電車やらのルートを調べたりするのはそれなりに面倒だったり。
社会人になると、もういくつ寝ると〜というのはあまりリアルではなくて、むしろ、あと二日仕事したら〜と思った方がリアルです。
◆
夢。
気まずい夢ですが、気まずさ込みで美味しい夢かも。
あれですよね。やっぱパターンとしては、可憐は良家のお嬢様で親の決めた結婚には逆らえないんだけど、どうしても愛しいお兄ちゃんのことが諦めきれなくて、最後の思い出にということで一夜を共にしてしまう、みたいな。台詞的には、ひとつだけ可憐の我が儘を聞いてください、例え誰に嫁ごうとも可憐が本当に好きなのはお兄ちゃんだけです、可憐はずっとお兄ちゃんだけのものです、みたいな感じ?
………反応してる俺の方が遥かに気まずく思えるのはナゼダ。
や、そういうシチュエーションが好きなんですよ私。
パニック初恋城[佐波みづえ/講談社X文庫]とか、アカデメイアの冒険者[やまざき貴子/花とゆめ]に出てくる“もえぎの姫”とか。
2002/4/21 (日)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#21
◆
旅行の準備(主に情報収集)で大忙しのはずなのに、怒首領蜂・大往生を探しにゲーセン巡り。
新作を入荷しそうな店に目星をつけて回って、2件目、その昔怒首領蜂を散々やり込んだ足利カーニバルで発見。
何回かプレイしてみての印象。
まず、ロケテver.と比較すると難易度が若干下がっている模様。特に1面ボスの殺意満々な攻撃は弾数/スピード共に抑えられていてかなり簡単になっている。2面以降も同様。
前作との比較でいうと、弾幕の密度は更に上がっている感じ。3面以降はエスプレイドのように弾幕の中に入って撃ち込みながら細かく避けるというような場面がしばしば。ただ、ESPと同じく、ストレスを感じるような種類の弾幕ではないし、なにより怒首領蜂の弾避け感覚が割と通用するので、避けていて楽しい。特に4面以降、画面を覆い尽くす弾幕の中で、弾がぶつかる寸前まで集中しながら道を探す作業は萌え。
今のところ、4面道中は中盤の戦車地帯がいまいち安定しないのと、後半の移動砲台と巨大砲台地帯が問題。特に砲台地帯は現状ではノーボムで抜けられる気がしない。移動砲台は速攻破壊を心掛ければまだしもなんとかなりそうだけど、巨大砲台は青弾の密度が高すぎる気が。
5面は冒頭がかなり厳しい。冒頭を抜けると少し楽になる。あと今作では面白いことに、5面をある程度進むと、前作、怒首領蜂のボスが中ボス扱いで登場する。まず4面ボス、次いで3面ボス、続いて5面ボス。ただしいずれも2周目の攻撃を仕掛けてくる(4ボスならレーザー&赤扇状弾)ので一筋縄ではいかない。おそらく制作者のお遊びなのだろうが、この辺りが、プレイしていて一番楽しかった。
今日の最高スコアは 3880万点、Maxhit 481. 5面途中まで。
2002/4/20 (土)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#20
◆
半角二次元板での画像漁りの効率を上げるため、マウスのホイールボタンを「ENTER」に設定してみる。
これでキーボードがなくてもマウス操作だけで画像のURLまで飛べることに。
◆
ori さん[4/10]
佐祐理さんとの関係が本当に“一線を越えた”ことになるのは、例えば肉体関係を結んだ時なんかではなくて、佐祐理さんに名前を呼び捨てされた時である、なんてことは私も昔から考えてました。佐祐理さん萌えだった当時、彼女に一番して欲しかったことは例えば膝枕なんかではなくて名前を呼び捨てされることでした。そういえば、実は昔、ちゅ〜おあずけで佐祐理さんに自分(祐一)のことを名前で呼ばせる、なんてショートを描いたことがあったり。割と恥ずかしい思い出ですが。ちなみにさる個人運営の掲示板に投稿したものなので、今はネットのどこにも存在しません、ありがたいことに。
◆
看護しちゃうぞ2 [トラヴュランス]
相変わらず、ハーレム展開は頭悪くていい感じ。期待に違わぬ出来。
でも今回の目玉はひばりたんとの巫女服えっち(当然、半脱ぎ)かもしれず。
2002/4/19 (金)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#19
◆
なんかATOK辞書の調子が悪いみたいです。金曜日の「きん」と入れると最初に「禁」と変換されます。なんか嫌だ。ちなみに自業自得というつっこみは自動的に却下されます。
ふと4月の日記を読み返してみて、なんか今月は低調だなーと思う。密度スカスカ。いつもは違うのかと仰る向きもありましょうが、これでも自分的には許容できる程度の内容であるという自負はあったりするんです実は。その自分に劇甘な私の目から見ても、今月はなんか駄目。
「看護しちゃうぞ2」も「まいむ」も入手できず。鬱。
こういう中途半端に欲しい作品というのは手に入らないと結構困る。買ったら速攻でセーブデータを当ててエロシーンだけ見るつもりでいるので、その程度の思い入れのゲームを買うためにわざわざ秋葉原まで行く気にはなれないし。
ふと思い立って、永遠の世界に逝ってしまった「Catena
Aurea」と「PTC_1st&2nd」の過去ログを保存。消えた後で悔やむのは嫌ですからね。ああちなみにうちの過去ログをローカルに保存しようなんて奇特な人はまさかいないとは思いますが、もしいたら当該HTMLファイルを強制削除するウィルスを送り込みますんでよろしく(パクリネタ)。
聖書で思い出したんですが、ついでに言うとかなりうろ覚えで申し訳ないんですが、ある女性が異邦人と寝てしまって、それが兄たちに知られてしまって、怒った兄たちが妹と寝たというその異邦人を殺しに行った、みたいなエピソード、ありましたよね。私がこのエピソードを初めて読んだのはまだ小学校低学年の頃だったんですが、子供当時、このエピソードはなんていうか不思議でした。「どうして一緒に寝ると殺されちゃうの?」「一緒のお布団で寝るのはそんなにいけないことなの?」みたいなことを考えていたんですね。まだ純粋だった頃の、懐かしいお話です。
まんがくらぶオリジナル6月号。
はにーすいーとティータイム。嬉しそうな瞬くんが妙に可愛い。ああいうカップルってなんかいい。あと、今月号は携帯の待ち受け画面のURLが載ってたので、とりあえず愛機の画面を早苗さん&柿沼さんの絵に替えてみたり。
まんがライフ6月号。
コーカサスオオカブトってたった4800円で買えるのか。マジで欲しいんですが。日記には書かなかったんですが、一昨年(だったと思う)、秋葉原の特設会場でやってた世界の昆虫展は実は見に行ってたりします。「オオムラサキ」「ギンヤンマ」「ヨナクニサン」「ヘラクレスオオカブト」「ネプチューンオオカブト」、この五つは虫取りが大好きだった子供の頃、究極の憧れの対象でした。一昨年、会場内で、感激のあまり水槽にへばり付いていたのも今では懐かしい思い出です。ていうか買えるなんて本当に知らなかった。いつか今の部屋を出たら絶対に飼ってみたい。
2002/4/18 (木)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#18
◆
夢見が悪くて鬱。
どうして車のヘッドライト交換だけで見積もり20万円なんて額になりますか。夢で良かった。
◆
あにぷり 16話。
ようやく真打ち登場。作画の質がかなり良いせいもあって花穂がやたら可愛い。まあもちろん花穂が可愛いのは太陽が東から昇るぐらい当たり前のことではあるのですが。しかしその当たり前のことがなんと嬉しいことか。
が、最後の応援シーンだけは頂けない。盛り上がりを演出しようとして空回りしている感じ。寒すぎ。それよりなにより俺の妹の腕はあんなに太くないやい!! うわあああああん。
最萌えシーンは花穂が肉まんを食べようとして「あつあつ…」するところ。他にも萌えシーンはたくさんあるが、意外性でこのシーンが一番。しかしあれですね、こういうシーンはやはり、花穂が舌をやけどして、ちょっとお兄ちゃまに見せてごらん、はいあーん、で、ちゅくちゅく(謎)、これで少しは痛みが和らいだかい? で、花穂真っ赤っか、というのが王道ではないのですか?
17話。
兄君様、はい、あーん。
わたくし、今、最高に幸せですわーっ。
…すいません、こいつら殴っていいですか?
ぐーで思いっきり、ではなくて、 Mace+3 のフルスイングでホームラン、みたいな感じで。
◆
3丁目の回覧板 [ひな。/プラザComics]
フォークソング[リューノス]のような世界観。どうしてここまで美しい世界が描けちゃうんだろう。いや、去年と同じことを繰り返しても仕方ないか。この作者のことについてはここにリンクしておけば十分だろう。
◆
美汐さんなサイト[4/18]から飛んでこちら。
ホントに卑怯だわこれわ。
KANON_DVD は買う予定ないんだけどなあ。
2002/4/17 (水)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#17
◆
すずねえは「鈴香」じゃなくて「涼香」でしたね。
てへ(死)。
それはそれとして、鈴香姉たまに萌える人は千秋恋歌はやらないとダメですよ。
姉たま萌え者的にはむしろあっちが本編ですゆえ。>>みんくりさん
月陽炎はとらハシリーズ好きな人には割とツボに入るだろうなあと以前から思っていて、実はみんくりさんにはお薦めしたいなあと思ってたんですが、私自身、他人からゲームを薦められるのあまり好きじゃないので、敢えて黙ってまして。だから月陽炎をプレイしていると知った時はなんとなく嬉しかったものです。
◆
秋桜の空に。
ようやく初子シナリオ&おまけシナリオ読了、でコンプ。
詳しくは後で書くとして、私的シナリオ評価は、カナ坊=ひよ先生>>初子=晴姫=すずねえ、というところ。
初子シナリオは予想外に良かったですので、時間があればやっておくことをお薦めします。>>文月陛下
そうそう、大事なことをひとつ。このゲームのバグに関しては、先日の土方さんとのディスカッション(嘘)の結果、うちの環境が特別に相性が悪いらしいということに相成りました。土方さん家の環境では修正パッチを当てれば普通に動くとのことで。まあいずれにしても、鞠音シナリオが存在しないという凶悪なバグについては泣き寝入りするか脳内補完するしかなさそうなんですがね。鞠音シナリオは必要だと思うんですけどねマジで。私が鞠音萌えであるとか鞠音萌えであるとかいうことを差し引いても、なぜ鞠音がひより先生を目の敵にするのかとか、その辺りは描いて欲しかったですし。
◆
ちょっとそこの電話を止められたひとー。(Lien をやってないと意味不明)
思うのですが、駄目すぎるとかなんとか以前に、電話を止められその度に払う、というのは面倒臭くないのでしょうか?(笑) 私だったら余計な手間が掛かる(と思われる)のが面倒なので、毎回払うようにしますが。というか私はちょっと訳あって自動引き落としじゃないので毎月振り込んでるんですが。
とりあえず、あんよさんには「秋桜の空に」の涼香シナリオを強く推奨しておきます。
すずねえの甘やかしっぷりは瑞佳をすら遥かに凌駕していますゆえ。
2002/4/16 (火)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#16
◆
なんでインク不足で「通信不良」エラーが出るんだろう、うちのプリンターは。
久しぶりに、出張PCレクチャーとかやってみる。
初心者に教えるのはもういいかげん懲りてはいるのだけど、今回の人については、会話の中から、自分で覚えようという意気込みを感じたので特例。自宅にお伺いしてみたら最新のノートPC(Window
XP)だったりしてちょっとびっくり。普段Win98を使っている人間から見ると、WinXPのインターフェイスはかなり違和感。よく見るとデスクトップに「マイコンピューター」アイコンがないし。操作に戸惑って、当初30分程度で終わらすつもりが、予定を大幅に越えて約2時間も掛かってしまった。ところで、XPのデザインってやっぱり初心者が取っつきやすいようにメカメカしさを消すようにしているのだろうか。あのデザインは結構好みだったり。
◆
「鈴香の弟になりたい」と見事に勘違い
桜橋さん家の鈴香さんは「すずねえ」ですが、有馬さん家の鈴香さんは「姉たま」です。うちでの表記は、ということですが。それはそれとして、姉たまの弟というのもなかなか良いかもしれず。自分は病弱な弟という設定で、姉たまに身の回りの世話をしてもらったり、神社の外のお話を色々聞かせてもらったりとか。可愛がられるというよりも、ただひたすら大事に大事にされんの。
「あ、そうだ、りんご剥いてあげるね」
「…姉さん、ぼく、姉さんに、迷惑掛けてないかな?」(注)
「またそんなこと言って。わたしはあなたを迷惑だなんて思ったことは一度もないわ」
「でも、ぼくがもっと元気だったら、姉さんも自分のための時間をもっと持てるのに」
「もう、この子はすぐそういうことを言うんだから」
「いい、もう一度言うけど、あなたはわたしの大切な弟なのよ」
「だからね、可愛い弟にはいつも笑っていて欲しいの」
「ほら、りんご。あーんして」
「どう? 美味しい?」
「…姉さん?」
「なあに?」
「また、いつもの歌、歌ってくれないかな?」
「ふふっ、いいわよ。じゃ、目をつぶって」
◆
すいません、回線切って吊ってきます。
◆
(注釈)
一般的に言って、こういう質問をするやつが一番迷惑です。迷惑ですかと問われて迷惑ですなんて答えられる訳ないんだから。あるコミュニティーに居ても良いための資格というものがあるとすれば、その唯一のものは「わたしここにいてもいいのかな?」と問わないことだと思います。や、最近2ちゃんねるでね「わたしこのスレッドに居てもいいですかね?」なんて聞いた人がいて、まあその人はそのスレッドの主力だったし、別にわざわざ文句を言う気はないのですが、その人に対する元々の好印象とは別のところで、こういう質問の仕方ってずるいよなーと思った訳なんです。どこの掲示板(チャットでも)であれ、同じ参加者同士が他人の参加資格を云々して良いはずがない訳で、そうなると結局、それは答えの分かり切った問いなのです。というよりも、ある答えを予め期待しての「甘えた」問いだとすら言って良いと思う。更に言うと、好意的な答えを「わたしは必要とされている」にすり替えてしまうともう手の施しようがなくげほごほ。
2002/4/15 (月)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#15
◆
今日はほとんど鬱らなかった。
たまにはこんな日があってもいいですよね。
特にうちにリンクされている訳ではないのだけど、この界隈でお兄ちゃまと言ったらたぶん私のことだと思うので、というか私のことと強引に決めつけてレスポンス。どんな検索ワードを入れたのかはあくまで内緒です。いやその、私にもイメージというものがありましてですね。関係ないですが目下のところこのスレッドが私の日々の安息の地です。ロムですけどね。
松本のネットカフェで書き物をした際、予め用意しておいたFDに上手く書き込めなくてちょっと焦ったのだったが、考えてみるとテキストファイル程度の小さいものなら別にわざわざFDを持っていって保存しなくても、自宅にメールを飛ばせば済むんだよね。というかその方が効率的だと思う。
昨日の八幡社の巫女さんが履いていた緋袴は、明るい赤ではなくて深みのある濃い赤でした。この色の濃さが、なんか本物っぽくて良かった。
昨日の追記をもうひとつ。横川SAの和食のお店「霧積」の釜飯セットが良かった。釜飯自体は普通だけど、ごぼうの味付け(辛い)が好みだったのと、コンニャクを使ったデザートがいい感じに食後の口内を爽やかにしてくれて、最後に口の中がさっぱりしたところで飲むお茶の美味しいこと。素晴らしいコンビネーションでした。こういう気遣いは嬉しいもの。
2002/4/14 (日)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#14
◆
自宅にて。
昨日の続き。
◆
予定では高遠城址の桜を見たら、ホテルを予約してある松本に直行するつもりだったのだが、途中で諏訪湖の名前を見てオルゴール博物館の存在を思い出したので急遽予定を変更。諏訪湖SA
でるるぶを立ち読みして場所を確認後、諏訪IC
で降りて下諏訪まで北上。適当に走っていたら割と簡単に見つかる。諏訪大社のすぐ手前だった。
で、奏鳴館[諏訪湖オルゴール博物館]。タイミングの良いことに、ちょうど私が館内に入ってすぐオルゴールの実演タイムになったので、19世紀後半から20世紀代に掛けて作られた色々なオルゴールの生の音色を聴くことができたのだが、これがもううっかり泣きそうになるぐらい素晴らしい。ここのオルゴールから聞こえてくるのは、普段私たちが耳にしているようなオルゴールの音色とは全然違う。光が弾けるような輝かしい音色というか、あるいはいっそ、黄金の音色がオルゴールからとめどなく溢れ出してくるとすら言っても過言ではない。そして更に。100年前にも、きっとこのオルゴールを聴いていた人がいたのだということ。100年前にこの黄金の音楽を聴いていた誰かのことを覚えている人はおそらくひとりもいないだろうが、それでも、100年前の、知らない誰かが聴いていたのと同じ音色を現代の私が聴いているのだという感覚は、不思議な感動を呼び起こす。あたかも、100年前に生きていた顔も名前も声も知らない誰かと自分とが、このオルゴールの音色を通じて繋がっているような、あるいはある繋がりが生まれたというような想像をせずにいられなくなる。それがなんともいえず心地よい。
◆
オルゴール博物館を出た後は一路松本へ。予め調べておいたインターネットカフェに入って自分とこの掲示板に記念書き込みをしてから1時間半ほど掛けてせっせと日記書き。午後2時前に切り上げてロイネットホテルへ。チェックインをして昼食を取って部屋でしばらくだらだらとテレビを観て夕方6時頃就寝。金曜日の夜ろくに寝なかったせいでベッドに入ってから寝るまであっという間だった。
◆
日曜日。朝4時起床。シャワーを浴びて身支度をしてから、ベッドに寝転がって読書。5時を過ぎて明るくなってきたのを見計らって松本市内の散策。松本城、旧開智学校、城山公園など。1時間半ほど歩いた後、ホテルへ戻って朝食。その後またベッドでごろごろしながら読書。10時にチェックアウト。それから、本当は昨日予定していたものの疲れて過ぎてて行けなかった浅間温泉へ。予めチェックしておいた、湯々庵・枇杷乃湯(とうとうあん・びわのゆ)の野天風呂でまったり。相変わらず太陽の下での岩風呂は極楽。
◆
松本を出た後、帰路で更に寄り道。更埴JCT
で上信越道に行かないでそのまま北上。長野IC
で降りて川中島古戦場跡へ。私が戦国時代オタだったのは小学生の頃のごく限られた時期だけだったが、当時読んだ本の感動は今でもかなり生々しく思い出せる。小学生の頃の私は、戦国武将たちが展開した戦いの数々に心を震わせたものだった。厳島の戦いの情報戦。賤ヶ岳の合戦での秀吉の、勝機を逃さぬ慧眼。関ヶ原の合戦における家康の戦略の数々(関ヶ原合戦は広義では上杉討伐の時から既に始まっていた)。そして、戦国史上でも稀に見る名将が知力と力の限りを尽くしてぶつかり合った第四次川中島合戦。武田軍の取ったキツツキ戦法、それを見破って見事に裏をかいてみせた上杉謙信。チャンスと見るや自ら信玄の首を狙いに行く謙信の勇猛さ。かなりの兵力の差にも関わらず謙信の猛攻を耐えきった武田信玄の采配。当時読んだ本には、車懸の陣形を取って次々に新たな兵を繰り出していく謙信、それに対して十二段構えの鶴翼の陣を取って迎え撃った信玄、みたいなことが書いてあって、あれから十数年経った今でも、この一節を思い出すと当時の高揚感が蘇る。古戦場に関してはこのことだけ書いておけば十分であろう。
余談。
第四次川中島合戦が展開された八幡原には、今日、社が建てられている。あの有名な銅像も境内にあるのだが、それよりなにより、ここでは巫女さんが御守りやら御神籤を売っていた。
ていうか私、リアル巫女さんって初めて見ました。ちょっと感動(笑)。
物腰の柔らかな、素敵な女性でした。
◆
最後に、今回の道順。
群馬出発[4/13・AM_2:00]−伊勢崎IC−(高崎JCT→関越道)−(藤岡JCT→上信越道)−(更埴JCT→長野道)−(岡谷JCT→中央道)−伊那IC[AM_5:10]−高遠城址公園[AM_6:00]−伊那IC−(岡谷JCT)−諏訪湖SA−諏訪IC−奏鳴館[AM_9:30]−岡谷IC(長野道)−松本IC[AM_11:15]−ロイネットホテル・チェックイン[PM_2:15]−ロイネットホテル・チェックアウト[4/14・AM_10:00]−浅間温泉[AM_11:00]−松本IC−長野IC−川中島古戦場跡−長野IC−(更埴JCT→上信越道)−(藤岡JCT→関越道)−(高崎JCT→北関東道)−伊勢崎IC[PM_3:30]、色々と県内をぐるぐるしてたので、帰宅は午後7時頃。
総走行距離、約660km.
2002/4/13 (土)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#13
◆
松本市内のインターネットカフェにて日記書き。
普段アナログ回線を使っている者としては、なんかカフェ環境がむちゃくちゃ速く感じられてちょっと悔しい。
◆
例えば、最も巫女さんらしい巫女さんというものを想像してみよと言われたら。私は真っ先に(そしてたぶん唯一)池柳彩女[Campus]を思い浮かべると思う。世に巫女キャラは数あれど、彼女ほど、巫女さんのひとつの典型を成しているキャラを私は他に知らない。もちろん他のゲームにも魅力的な巫女キャラはたくさん出てくるのだが、彩女たんの場合は、魅力的であるということの他に巫女さんとして、ある究極の標準(スタンダード)であるように思われるのである。もちろんこれは実際の巫女さんがどうこうではなくて、巫女さんというひとつの種族の話である。ちょうど、メイドさんというものが、「メイド服」や「主従関係」といった外的な要素によって規定されるものではないというのと同じことだ。メイドさんがひとつの存在であるように、巫女さんもまた、ひとりの人間であることと巫女さんであることとが分かち難く結びついたひとつの存在なのである。
私の見るところ、池柳彩女というキャラは最も純粋に巫女さんなキャラである。要するに彼女は、巫女さん萌えな人々がイメージする巫女さんというものの最大公約数であると言ってよく、更にそれ以外の要素を持たない。あるいは最も“くせ”の少ない巫女さんだという風に言ってもよい。世の多くの巫女キャラというものの魅力がどこにあるかをよくよく観察してみると、興味深いことに、彼女たちの魅力は必ずしも巫女さんであることに由来するとは限らないことに気づく。彼女たちは巫女さんである前にひとりの女の子なのであり、そういう意味では、世の巫女キャラというものは、巫女さんという形式を持った少女にすぎないことが分かる。彼女たちはもちろん魅力的であるのだが、その魅力はあくまでもひとりの女の子としてのそれなのである。
面白いもので、池柳彩女というキャラは、他の巫女キャラに見られるような“性格”としての個性をほとんど持たない。彼女はただ我々男性が勝手に憧れる巫女さんのイメージで固めたキャラに過ぎない。しかしそれにしても、ここまで徹底的に巫女さんの典型で固めたキャラを創ろうなどと、誰が考えたろうか。腰まで届く漆黒の髪、少女の年齢は過ぎていてもまだ女性と呼ぶにはちょっと足りない微妙な外見、手を触れることを躊躇わせるような神秘的な雰囲気、自己主張をするよりも相手の三歩後ろをついていくような控えめな態度、主人公に対しての一途な想い。池柳彩女について語ることと巫女さんについて語ることはほとんど同義だと言っても良いぐらい、彼女はどこまでも巫女キャラとして設定付けられている。そしてそれ以上には何も付け加えられていない。
池柳彩女は巫女さんである以上のものを持たない。彩女たんから巫女さんとしての要素を取り除いたらおそらく何も残らないであろう。しかしそれを持って彼女を無個性だとするのは妥当ではないように思われる。彩女たんはおよそひとりの女の子としての個性を持たないのだが、もしかするとそれゆえに、余計なものを持たない純粋な巫女キャラになり得たとは言えないだろうか。彼女は個性を与えられなかったことによって、結果としてある普遍性を獲得しているように、私には思われる。あるキャラは巫女さんであるにしては自己主張が強すぎる。別のキャラは巫女さんであるにしてはあまりに普通の女の子でありすぎる。現実の巫女さんはいざ知らず、種族としても巫女さんは例えばカラオケで歌いまくるようなキャラであってはいけないのである。それと比べると、池柳彩女たんは巫女さんとしての枠を一切出ないがゆえに、そういう心配が起きる余地がない。典型的であることによって、彼女は他の誰も持たないある種の魅力を獲得することになり、最も捻りがないゆえに、最も安心できる巫女キャラになった、と私は思うのである。
◆
で、まあその。
桜の名所であり、また池柳彩女さんの思い出の地である高遠城址に行ってきたのです。
高遠城という名前で分かる通りここは城跡なのですが、実際に行ってみると、城に桜が植えてあるというよりは、城跡が桜の木で蔽われているとでも呼びたい雰囲気になっています。とにかく高遠城のある山のほぼ全体が桜で蔽われているのです。シーズン中の城内は、360度すべてが桜景色になります。写真(サイズ大きいので注意のこと)なども撮ってはみたのですが、高遠城の桜を写真に収めようとするのは正直言ってナンセンスかもしれないと思いました。写真ではどうあっても“部分”しか撮れません。桜に取り囲まれ雪のように桜の花びらが舞い散る風景は、どうあっても写真などに収められるものではありません。ここで重要なのは個々の桜の美しさではなくて、城跡や我々を覆い尽くす桜、の美しさなのです。桜に郷愁を感じる人なら一度は行っておく価値があるスポットでしょう。あと、ここの桜はコヒガンザクラといって、通常目にすることが多いソメイヨシノよりもピンクの色がいくらか濃いです。それだけに、桜のピンクに囲まれる感覚は筆舌に尽くし難いものがあります。
◆
疲れたので今日はここまで。
2002/4/10 (水)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#10
◆
Google で花穂の18禁SSを探していたらなぜかうちの日記の過去ログが4番目でヒットしてしまいました鬱駄氏脳。
なんのキーワードで検索したのかは内緒です。
まあとりあえず目的以上の収穫はあったので気にしないことに。
2002/4/8 (月)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#08
◆
一部で流行らしい鬱度チェックなどやってみる。
結果は…内緒。
最近思うのですが、私はたぶんそれほど重度の鬱って訳じゃないです。少なくとも例えば通院が必要とかいうレベルではない気がします。気がするだけかもしれませんが。私はたぶん、いくらか神経質なだけなんだと思う。私のことを繊細だとか言ってくださる方もいらっしゃるようですが、私は繊細なんかじゃないです。ただ無駄に神経質なだけ。繊細であることはひとつの才能であるかもしれませんが、神経質は単なる欠点だと私は思っています。神経質な人間は周囲の人間を不幸にしますから。繊細さは何かを生み出しうるけれども、神経質は何も生みません。ただ不毛なだけ。
子供の頃から、私は自分の世界に閉じこもるのが非常に上手だったような気がします。例えば学校でなにか嫌なことがあっても校門を一歩出ればそれを忘れて自分の世界に入って楽しむことができたし、会社でのストレスもほとんどの場合は部屋に戻れば消えてしまうのです。もちろん、思い出すたびに発狂したくなるような、叫びたくなるような過去の記憶というものもいくつか持っていますが、それは特にある刺激を与えられなければ普段表に出てくることはありません。
私はどうも、深刻になりずらい体質みたいで。月曜日の朝とかになんとなく会社に行くのが恐くなって1時間とか何もしないでぼけーっと座っているなんて経験は私も持っています。特に休日に美しいものに出会った時なんかはそういう状態になりやすいようです。そういう時の不安感というのは、まあ例えば、ベートーヴェンのソナタの美しさを知っている人間が一人もいない場所(会社)にこれから行かなければならない、誰もこの美しさを共有できる人間がいない空間に入らなければならない、ということだったりする訳ですが。いや、言葉にすると変かもしれないけれども、私にとっては大真面目にそういうことが恐怖なんです。
でも、だからといって私はそういう理由で会社をさぼったことはないし、体が動かなくなったなんてこともありません。時間が来れば、嫌々ながらでもとにかく身支度をきちんとして、普通に会社に行きます。そんで、何事もなかったかのように挨拶し、時には話の輪に加わったりするんです。仕事中に過去の嫌な記憶に苛まれるなんてことももちろんありますが、それでも仕事に支障をきたしたりコミュニケーションが損なわれたりすることはありません。私の体はどうもそういう風に出来ているらしいんです。
過去に一度、観鈴のように、生きる力を失い掛けたこともあります。でも、やっぱりそんな状態でも、トイレには行かなくてはならないし、お腹も空いてくる。生理現象というのは面白いもので、動きたくなくてもトイレに行くために立ち上がって歩いて用を足すという一連の動作をしていると、一時とはいえ、憂鬱な気分が消えます。生理現象があるおかげで、人間は長時間じっとしていることができないのですが、それは考えようによっては生命に備わったセーフティー機能であるのかもしれません。脱線気味ですが、私はいずれにしても、どん底に落ちたことはたぶんないのです。体がそういう風にできているんだと思います。
Papa told me のどこだったかに生きる元気を失ってしまった少女の話があります。その少女はスーパーでひとりの女性に睨まれたように感じたことを切っ掛けにして生きる力を失ってしまい、夢遊病者のようにして毎日を過ごすようになります。そしてラストで、たまたま木の上で寝ていた女の子(知世)を見て、再び生きる力を取り戻すんです。ただそれだけ、パパも知世もほとんど出てこない番外編的エピソードなのですが、このエピソードだけは、今だに忘れることができません。ここで書かれている、少女の傷と回復には一見なんらの合理性もないように見えます。彼女は別に何らかの悪意にぶつかった訳でもないのですし、回復にしてもあまりに唐突です。でもこれは、私の目にはすごくリアルに映ります。人を傷つけるためには一瞬の眼差しがあれば十分なのだということ、人を回復させるには同じようなほんの些細な経験で足りるのだということ、がここでは語られています。人間というのはそれほど簡単に傷つくのであり、それほど簡単に回復し得るものなんです。いや、他人がどうかは分かりませんが、少なくとも私は、このエピソードに言いようのない親近感を覚えます。私は簡単に傷つくけれども、同時に、おそらく、簡単に回復できるスイッチを持っているんです。あのエピソードの少女のように。そういう意味では、私は恵まれているのかもしれないなあと、最近は思うのです。
何も考えずに頭に浮かんだことを書いてます。
読み返してもいませんし推敲する気もありません。悪しからずご了承を。
ではおやすみなさい。
夢の中で花穂と会えますように。
2002/4/7 (日)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#07
◆
シスプリDVD_6巻を買うため急遽上京。
あと土方さんとルノアールでダベったり。
買うかどうか迷っていた夜勤病棟5巻は迷った末に見送り。観たいのは観たいのだけど6800円だしてまで、というほどではないし。その代わり、衝動でDVD版赤毛のアン[実写]を購入。観るかどうかは不明ですが。せっかく買ったんだし一回ぐらいは観るでしょうけども。
あと利休さんへ私信。
例のビデオ、秋葉原の某店で人気No.1でしたよ(笑)。
今回は誘惑に耐えて同人誌の物色はせず。
虎の穴には結局入ってしまったけど、4階には行かず、3階でエロ漫画を物色したのみ。俺の勝ちです(※)。
買ったのは、ゆれる白い花[龍牙翔]、蔵の中のアリス[八的暁]、ビープラス[みずきえいむ]、フラワーピロウ[日向ひゅうら]の4冊。
(※)
50歩逃げた奴が100歩逃げた奴を笑う、と同義。
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秋桜の空に、については色々書きたいことがあるのですが、それは明日以降ということで。
今日はひとまずおやすみなさい。
2002/4/5 (金)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#05
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会社での風景。
「しのぶ(仮)さん、さっき考え事してなかった?」
「あー分かっちゃいます? いやーもう頭の中、明日の休みなにしようかなーってことで一杯で。あははは」
…ごめんなさい同僚Sさん。
本当は「やっぱり白い〜フリルのドレスを着た〜可愛いお嫁さんでしょう〜♪」とか口ずさんでました。
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誤魔化す時に「隠す」のは素人のやることです。
本気で誤魔化したいのなら隠すのではなく「目を逸らさせる」ことを考えるべきです。
この場合、仕事中に考え事っていう時点で既に後ろめたい訳なんですが、その後ろめたさに負けてはいけない。
嘘をつく時は相手の目を見て笑顔で、これ鉄則。
まあ状況にもよりますが。
ちなみに良ゐ子は真似してはいけません。
…お姉ちゃんはしのぶくんをそんな嘘つきな子に育てた覚えはないぞっっっっっっっっ!
ごめん、すずねえ。
でも大好きなすずねえには嘘つかないよ俺。
今、後ろに隠したのは何っ?
貸しなさいっ!
あー俺のエロゲーっっっ!
(以下小一時間説教が続くため強制終了)
2002/4/4 (木)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#04
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最近、妙に忙しい。
それはそれとして、ちょっとヤバメ。
世界と自分との関係がすごく希薄になっているような…というよりも単純に言えば「取り残されたような」感覚。
グールドのベトop10-1 の主題。
ここまで歌声がはっきり聞こえたのは初めて。
もしグールドのあの歌やら唸り声やらが、自分の精神をある状態に持っていくためのひとつの手段なのだとしたら。理想の響き、理想のフレージングを実現するためにああいう手段を取らざるを得ないのだとしたら。彼の頭の中では一体どんな音楽が聞こえているのだろう。
2002/4/1 (月)
http://www6.wind.ne.jp/sayurin/diary-2002-04.htm#01
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秋桜の空に [Marron]
カナ坊(楠若菜)シナリオ読了。
キャラ萌え的にはすずねえの方が全然好みなのですが、シナリオの好み的にはこちらの方が遥かに良いです。すずねえはね、すずねえさえいればシナリオなんかどうでもいいと言いたくなってしまうところがあったし、実際、シナリオとしては普通の出来だったように思います。あのお話は要するにすずねえという個性がすべて。それに比べると、カナ坊シナリオは、もっとお話として楽しいのです。というか、どうも私は、こういう病弱少女系が健気に頑張るシナリオに弱いらしいです。学園祭二日目、劇の途中でカナ坊をさらって舞台からとんずらしてしまう主人公の格好良さ、その時のカナ坊の表情の可愛らしさ、そして、ふたりが存分に学園祭を楽しんだ後で体育館に戻ってきた時の初子の台詞。いわゆる病弱少女を主人公が強引に連れ出すという展開は今更といえば今更なパターンです。でも、筆致の素晴らしさがそんなことを感じさせる隙を与えません。それは、上に挙げた主人公やカナ坊、初子の描写だけではありません。学園祭を見て回る時間がないと知って気落ちするカナ坊、それを見て心を痛める主人公。更に、そんな主人公を敢えて慰めたり詮索したりしないすずねえ、主人公とカナ坊の逃避行を助ける鞠音。劇を放棄した主人公たちを笑顔で許すクラスメイトたち、泣き出すカナ坊。ここではすべてがあるべき場所に収まっています。人物同士の距離感の絶妙さ。無駄なものも付け加えるべきものも何ひとつなく、すべての歯車がきちんと噛み合い、ひとつの――こう言って良ければ――美しい世界を作り出しているのです。
あと個人的に、このシナリオは胸に響く台褐が多かったです。
「私たちの目の届くところでは、そんな寂しい食事はさせません」とか。これは提案でも誘いでもありません。させません、というのは有無をいわせないような強引な言葉です。でもその強引さが、心に響くのです。彼女たちはこちらの思惑なんか無視してしまっているのですが、まさにそれゆえに、気持ちはストレートに私の元に届くのです。
もうひとつ。このゲームは恐ろしくギャグが冴えています。ギャグを面白いと思うかどうかは個人差が大きいのでなんとも言えませんが、ノリ的には、ONEの折原浩平を思わせる破天荒振りです。また、選択肢を使ったお遊びも随所に見られます。特に攻略に関係ない(と思う)ような場所でしばしば選択肢が出るのですが、この選択肢が妙なものが多くて、ついついセーブして一つひとつの選択を試してみたくなります。例えば、隣の席のカナ坊に教科書を見せて貰わねばならない場面では「見せてくれと頼む」「見てくれと頼ませる」なんて二択が出ますし、学食に行く途中ですずねえに会うと、「すずねえを一緒に連れて行く」「すずねえに一緒に連れて行って貰う」「断る」なんていう選択肢が出ます。ちなみに二番目を選ぶと、嬉しそうなすずねえに手を引かれて学食に向かうことになります。こういった選択肢は物語の進行の上では大して意味のあるものではありません。実際「断る」を選んだところで、結局はすずねえと一緒に学食に向かうことにはなるのです。でも、こういったお遊び要素はゲームに彩りを与えます。攻略のことなんか忘れて、とにかくこの選択肢を選んでみたいと思わせる魅力がありますし、しかもそれによって得られる回答も良い感じにプレイヤーの予想の斜め上を行く感じで、とにかく楽しいのです。ちょうど、ONEの七瀬シナリオ前半のノリが近いですね。
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最後にシステムのことをちょっとだけ。
私はすべてのバグを確認したわけではありませんが、このゲーム、バグが多いらしいです。というか、序盤で強制終了がでまくったのでバグを確かめるどころではなかったのですが。おそらく普通の出荷状態ではまずゲームになりません。なにしろ、画面をフルスクリーンにしてからゲームを始めようとするとそれだけでもう強制終了が出るのですから。その他にも、プロローグ途中で止まったりオープニングの途中で止まったりと、はっきり言って酷いです。Marron
のWebサイトに行ってサポートを見ると、去年のゲームであるにも関わらずいまだに修正パッチが更新され続けています。しかも修正パッチをいれても(うちの環境では)相変わらず強制終了が出まくります。作品としては優れたものではありますが、商品としては杜撰もいいところです。
ただ、ありがたいことに(というか相当珍しいケースですが)このゲームに関しては、ユーザーが作った「C.H.A.O.S」という互換プログラムがWeb上で公開されています。これをゲームのプログラム本体と入れ替えれば、バグは一切起きず、普通にプレイすることができるようになります。それどころか、インターフェイス周りは元々のゲーム本体よりも遥かに充実しています。セーブや読み返し機能の充実等です。
この、普通の状態ではまともにゲームがプレイできないという致命的欠陥があるために、手放しで誉めることができないのは残念なことです。作品としては本当に良い出来なのですが…。
文責 しのぶ sersui@bay.wind.ne.jp